2014年4月25日金曜日

携帯電話機にGPSが使われるようになって、GPSの使用量は爆発的に大きくなった




GPSの説明をどこからはじめたらいいのかは、本当は読む人の事情によって変ると思いました。が、今回の私の説明は、GPS(正確にはGPS受信機のアンテナですが、私の「GPSの利用」の説明ではGPSと呼びます)の代表的利用の仕方から始めたいと思います。利用の仕方は、10回ぐらいで説明することになるでしょうか。

<GPSは、地上高約2万kmを飛ぶ約30個のGPS衛星を使って、誤差1~10mぐらいで自分の位置を見つけるシステムです>

GPSはグローバル・ポジショニング・システムのそれぞれの頭文字をとったものです。GPSは私たちの身の回りのあちこちで使われ、GPSと言う言葉も多くの人の知るところとなりました。GPSは「アメリカのNASAが、地上高約2万kmの上空に約30個のGPS衛星を、地球の周り(バラバラの位置)に打ち上げ、これを使って誤差1~10mぐらいで自分の位置を見つける」システムです。

アメリカのNASAが軍事用に作ったシステムですから、軍事用には勿論使われました。しかし、GPSの運用開始をアメリカが1993年発表してから、以降徐々に、民生用としての利用も花盛りになっています。最初は海の上にいる船がどこにいるのかわかる等で、GPSの効果が大きいことを確認できていたのですが、今はそれ以上の非常に大きな数のGPSが、カーナビや携帯電話機等で使われるようになりました。

位置測定にあたって、宇宙区間にはさまざまな測位の誤差要因がありますが、これをなくすため、工夫が重ねられています。そして高精度GPSでは、誤差が1cm以下にまで精度が上がりました。上空2万kmの衛星を使って、この精度ですから奇跡的とも言えますね。

<携帯電話機にGPSが使われるようになって、GPSの使用量は爆発的に大きくなった>

写真は、友達がIフォンで使ってグーグルマップ上で自分の位置を確認したところを、Iフォンだけを撮ったものです。携帯電話機で自分の位置を、GPSで把握できるようになりました。携帯電話機のサービスでは、「自分の位置関係のサービスも多彩」になってきています。

携帯電話機の世界での出荷量は20億台/年(契約数は75億台超)に迫ってきました。つまり全部の携帯電話機にGPSが搭載されているとすると、GPSチップの値段がいくらかは知りませんが、100円とすれば2000億円/年、1000円とすれば2兆円/年の市場が、GPSチップ販売の前にあるわけです。この量は、GPSチップのビジネスを変えました。

<携帯電話機にGPSが搭載されるようになった理由は・・・>

私たちが119番(消防)や110番(警察)に電話をすると、受付台で受付する人に

は、かけた私たちの位置も自動通報されています。私たちが119番や110番に電話するときは、慌てていますから、これは大変便利でした。勿論、私たちの位置情報は個人情報でもありますから、周知されることは拙いのですが、119番や110番は、特別ですから認められていたのです。

昔の電話(今も普通に使われていますが)は、固定電話だったので、これが難なくできました。しかし、携帯電話機が増えて、国内では2000年には固定電話機の数を超えています。それに連れ、119番や110番にかける人の半分以上が、携帯電話からかけるようになりました。そうすると、携帯電話機は動くので、そこから通報された119番や110番で受付する人は、かけてきた人の位置の特定で苦労することになります。それを解消するため、携帯電話機にGPSを搭載するのを標準にすることにしました。

<アメリカでE911の法律が定められ、日本でも携帯電話各社がGPS搭載を約束しました>

日本の119番や110番に対応する、アメリカの電話番号は911です。E911のEはエンハンスドのことで、強化されたという意味合いでしょうか。E911には2つポイントがあります。1点目は携帯電話機の発信内容に、位置情報を示すものをいれること。2点目は、近傍の911センターに電話すること。

このE911は、米連邦情報通信委員会(FCC)によって、2005年発令されました。はじめるにあたっては、「個人情報保護」「技術的に難しい」等の抵抗もあり、いろいろありましたが、今はこの内容でアメリカは動いています。

また、日本では2007年、携帯電話各社が、E911と同じ内容の「緊急通報位置通知」システムを運用すると、報道発表しました。119番や110番の受け入れ態勢(受付台の変更が必要)もあるため、すぐすべての体制が出来たわけではありませんが、今は全部運用されています。

<携帯電話機の数は、圧倒的に多いため、携帯電話機で利用されたことがGPSビジネスを一歩進めました>

携帯電話機の数は、2014年、世界の人口をこえました。携帯電話機は、そのインフラ設備が作りやすいこともあって、もう世界中で一人一人に使われる時代になったのです。ここでGPSが標準搭載されたという出来事は、GPSの民生利用にドライブをかけました。

量の増大は、質の変化をもたらしました。一つ目は、GPSと相性の良いデジタル地図と

ともに、安価になったことです。GPSは、もうコモデティ化してきました。二つ目は、その使われ方が私たちの生活と密着した形で、進歩し始めたことです。位置情報に関する人間の知恵は、GPSを軍用、高級なものでの活用から、どこでも、誰でも使うものに向けて発揮されるようになりました。しかも通信と融合する形で。

<GPSも含み、GNSSと言う言葉が使われるようになってきました>

GPSはアメリカが、軍用に作ったシステムです。GPSの技術も、NASAの周辺で育ちました。そして当初はGPSビジネスも、NASA周辺にあったのです。しかし、GPSは自分の位置情報を計算するのに、GPS衛星からの(誰でも受けられる)無線電波を利用するので、誰でもGPSを利用できました。アメリカの敵国まで利用できるのです。

アメリカに頼るだけなのはいやだとして、成熟度は別にして、ロシアは「グロナス」という同じ仕組みを構築してきました。ヨーロッパは、「ガリレオ」というGPSと同じような仕組みを、今作り始めています。中国でも、北斗(コンパス)というGPSのようなシステムが構想され、建設が始まりました。

だから、これらを総称して、GNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)と言います。専門家のあいだでは、GPSに代って、GNSSという言葉が使われ始めました。もうGPSの仕組みは、世界のインフラになってきました。まして民生利用が、これだけ進めばもうGP、は、軍事技術とだけ言えなくなったと思います。

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